12月17日(火)、午後3時より衆議院第2議員会館会議室において「歯科技工士に関する制度推進議員連盟」役員会が開催され、本連盟より奥村会長、青木・加藤副会長、時見理事長が出席した。冒頭、上川議連会長(静岡1区)より、「先の衆議院議員選挙において、議連の橋本幹事長、石川事務局次長が議席を落とされ、二人が戻られる間、議連の中でどのように運営していくかを相談するが、流れを止めることなく進めてまいりたい。歯科技工士の皆様の声を、エビデンスを含めて検証し、良い方向に向かうよう制度推進に努めていくのでよろしくお願いしたい。また、議連幹部の福岡先生が厚生労働大臣に就任されたということは大変喜ばしいことであり、大臣のお力もお借りしていきたいので、宜しくお願いしたい。本日の役員会では、昨年12月に武見前厚生労働大臣に要望させていただいた項目の進捗状況を伺い、今後どのように展開させていくのかを役員会として意見交換をしていきたい。また、橋本先生がいらっしゃらない期間、堀内詔子先生(山梨2区)に議連幹事長を務めていただくことを総会に諮っていく。」との挨拶があった。奥村会長からは、議連役員会の開催と、関係省庁から多忙の中、出席いただいたことへの謝意が述べられた後、「本日新聞の切り抜きをお配りしてあるが、1面に歯科技工士の人材不足に関する記事が掲載された。歯科技工士の諸問題にこれ以上多くの時間をかけて取り組んでいくだけの時間的余裕は少なく、昨年の政策要望の中で、とりわけ歯科技工所への公的番号付与、初任給基準表の改定がどう進展しているのかに特化して意見を取り交わしたいとの考えで資料を提出した。よろしくお願いします。」と挨拶があった。次いで議題に入り、医政担当の森厚生労働省審議官より、「歯科医療従事者の環境は大変厳しいものがある。口腔管理は非常に重要な課題であり、歯科医療に従事する人の数も減ってきているので、クオリティを確保しつつ、就業環境の整備をしていくことは重要な課題であり、少しずつでも前進させていきたいと考えている。歯科技工士の皆さんよりいただいた要望の進捗状況について、説明させていただく。」との挨拶があった。小嶺歯科保健課長から、歯科技工所に管理番号を付与してホームページに掲載していただくよう自治体に通知を出した旨、その実行状況に関して資料を基に報告があった。人事院給与局の本間参事官からは、歯科技工士の初任給基準について大学卒の基準を設けていただきたいとの要望であるが、大卒の歯科技工士がどのような高度な業務を遂行できるのかなど様々な改定要件があり、それについて厚生労働省と意見を擦り合わせている。精力的にやってきているところで、引き続き厚生労働省に整理をしていただき、対応して参りたいとの説明があった。日技連盟からは、本連盟からの提出資料について説明があり、具体的な意見交換が行われた。上川会長から、厚生労働省の取りまとめた資料をもう少し細かく分析する必要性や議連所属の先生方に協力を仰ぎ、保健所設置自治体へ実態調査と協力依頼を行うことの必要性についてなどの意見が出された。奥村会長からは、歯科技工所への不正な委託もはらんでおり、トレーサビリティーの観点からも最終的には歯科技工所の届出制を登録制にしていただきたい旨の発言があった。引き続き上川会長から、法令改正への具体的な手順やエビデンスの集め方についても意見が出された。時見理事長からは、デジタル歯科技工指示書が一般化された場合など、歯科医師の指示に基づかない二次委託、三次委託、無届歯科技工所への委託、国外委託などが派生し、そこで行われる歯科技工が歯科技工士有資格者の行っているものかどうかは確認できない。一次委託先が資格を持った歯科技工所であるとの確認の意味でも開設届が出された、営業実態のあるすべての歯科技工所への番号付与が必要となるのではないか、また、発出していただいた通知では番号付与に関して2種の付与例が記載されており、これも1本化していただくための追い通知などを出していただきたいとの意見があった。森審議官からは、今言われた、隠れて営業をしているところ、廃業をしているところ、アウトソーシング問題、これらは管理番号を付与しても解決しにくい問題であるので、論点を整理して、どの順番で対応していくのか、厚生労働省が自治体を通じて調べていくことと並行して、歯科技工士会に調べていただくことを仕分けして相談させていただきたい。また、番号を付与している医療職種が医師・歯科医師など限定されているため、その必要性について自治体から疑問を持たれるのではないかとの意見があった。奥村会長からは、その理屈はわからないではないが、歯科医療の安心安全を担保するため、他の医療職種に先駆け、真っ先に歯科技工士(所)から実現していきたいと述べられた。森審議官からは、会長のおっしゃることは重々承知しており、自治体が有無を言わさずやらなければならないとの立場におかれるよう、もう少しエビデンスを集め、検討させていただきたいとのやり取りがあった。松本事務局長(東京19区)からは、困難なことは承知しているが、トレーサビリティーの確保、健康被害の防止などの必要があり、番号付与が最終目的ではなく、廃業歯科技工所や届け出していない歯科技工所があるということなら、届け出制ではなく認可制にしていく。認可制にしていくのであれば、違反があったら認可取り消しにしていくという罰則をかけていく。最終的にはそういうことをやっていかないと制度として担保できない。それをやるための第一歩として番号を付与する行為を通じて現状把握をしていくのだと思っているので、先ずは番号を付与し、トレーサビリティーを確保し、違反者は罰則強化する。歯科技工士の国家資格の意義を真剣に考えていかなければならないと思っているので、目線の高さを役所にも合わせていただきたい。自治体の不都合の有無の問題ではないとの意見が出された。最後に上川会長より、今日の結果と議論を踏まえ、厚生労働省で問題を整理していただき、議連総会に諮りたいので、スケジュール感をもって総会の時期を相談しながら進めていただきたいとの纏めがあり、歯科技工士議連役員会は終了した。